糖尿病と歯周病の意外な関係!~歯周病が治れば糖尿病も治る!?~|もみじ歯科|鈴鹿市阿古曽町の歯医者・歯科

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医療コラム

糖尿病と歯周病の意外な関係!~歯周病が治れば糖尿病も治る!?~|もみじ歯科|鈴鹿市阿古曽町の歯医者・歯科

糖尿病と歯周病の意外な関係!~歯周病が治れば糖尿病も治る!?~

糖尿病と歯周病の関係

今日は糖尿病と歯周病の関係についてお話したいと思います!

糖尿病と歯周病?

「それって関係あるの?」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、最近の研究では、この両者には切っても切れない関係があると解っているのです!

なんと、歯周病の治療を行った糖尿病の患者さんにおいて、血糖値の改善が認められ、逆に糖尿病の治療を行った患者さんで歯周病が改善した!という研究結果が出ているのです!

今日は糖尿病と歯周病の関係についてお話したいと思います!

出典:Lalla E et al Diabetes mellitus and periodontitis: a tale of two common interrelated diseases. Nat Rev Endocrinol 7: 738-748, 2011

Simpson TC et al Treatment of periodontal disease for glycaemic control in people with diabetes. Cochrane Database Syst Rev: CD004714, 2010

「え~!!どうして?」と不思議に思われることでしょう。

それでは、歯周病と糖尿病について少し詳しくお話しします!

歯周病とは?

そもそも歯周病とはなんなのでしょうか?

歯周病とは、細菌の感染によって、歯茎が炎症を起こして腫れてしまったり、出血が起こりやすくなったり、歯を支える顎の骨が溶けてしまうことをいいます。

歯周病の原因となる細菌には主にP.gingivalis,T.denticola,T.forsythia等があります。

成人の約8割が歯周病だと言われています。(出典:平成23年歯科疾患実態調査)

そして、歯を失う理由の1番の理由は、虫歯ではなく、なんとこの歯周病であり、歯を失う理由の40%以上を占めています!

なので歯周病をしっかりと治療することで、歯を守ることができ、将来的も食事を美味しく食べることにも繋げることができるのです!

糖尿病とは?

それでは糖尿病とはどういった病気でしょうか?

糖尿病にはⅠ型とⅡ型があります。

Ⅰ型糖尿病は、血液中の糖を細胞内に取り込むためのインスリンという物質が、膵臓で作られづらくなるものを言います。遺伝的な要素が強いです。

Ⅱ型糖尿病は、成人習慣病とも言われ、食べすぎ・飲みすぎ・運動不足・ストレス等により、インスリンを阻害する物質が多く産生され、糖が血液中に溜まるものを言います。

糖尿病には多くの合併症が存在し、進行すると失明の危険性や、脳梗塞や心筋梗塞などの疾患を引き起こす可能性もある怖い病気です。

糖尿病と歯周病の関係の作用機序

糖尿病で歯周病が悪化する作用機序

血液中に糖が多く溜まると、組織内で糖とタンパク質が結合してAGEs(終末糖化産物)が産生されます。

AGEsは好中球とういう、私たちの体内で外敵から身を守るのに働く細胞に付着して、機能を阻害するため、免疫力が低下して歯周炎が進行してしまいます。

またAGEsはマクロファージに貪食され、その際にIL-1等の炎症性サイトカインが多量に放出されるため、炎症が増大して、歯周炎も増大します。

歯周病で糖尿病が悪化する作用機序

反対に、歯周病原因菌やその代謝産物が血管内に入り込むことで全身的な慢性炎症状態になる場合があります。その際に放出されるTNF-αなどのサイトカインは、細胞内にグルコースを取り込むのを阻害するため、歯周病の増悪により糖尿病も増悪するのです。

以上のように歯周病と糖尿病は互いに互いを増悪する関係性にあるため、どちらか一方の治療を行っても、中々症状が改善しないことがあります。

しかし、両方の治療を行うことで症状が劇的に改善することもあるのです!なので糖尿病の治療をされている方で中々症状が改善しない、逆に歯周病が中々改善しない場合などは、もう一方の診査・治療を考える必要があります。

糖尿病の治療は糖尿病内科で、歯周病の治療は歯医者で行えます。また、最近は双方の科が互いの重要性を理解しており、協力体制をとっているところも少なくないのでかかりつけ医院がある場合は、一度主治医の先生に聞いてみて下さい!

歯周病の治療

歯科医院での歯周治療

ちなみに歯周病の治療は、個々の口腔内環境や、免疫力などの差など個人差が大きいため中々治療が難しい疾患です。そして、歯医者での治療以上に日常的な歯のクリーニングが重要なのですが、そもそも進行した歯周病においては、骨が溶けて歯茎と歯を支える骨の間に深い溝ができてしまい(歯周ポケット)、そこに汚れが付き易くなり、またそこから細菌が増殖するという悪循環が起こります。そしてその歯周ポケットについた汚れは、通常の歯ブラシではとれないことがほとんどです。

それでは日常の家でのクリーニングはどうしたらよいのでしょうか?

自宅での歯周病治療(プロデンティス)

プロデンティス(Bio Gaia社)という商品を用いたバクテリアセラピーがあります。バクテリアセラピーとは、善玉菌という体に良い菌を、定期的に摂取することで、歯周病原菌などの悪い菌の数を減らし、良い菌の数を増やしていくものです。

このプロデンティスは、スゥエーデンにあるBio Gaia社が特許を持っている商品であり、善玉菌としてL.ロイテリ菌を摂取できるものです。このL.ロイテリ菌はヒトの母乳・口腔由来の乳酸菌であり、天然の抗生物質を産生するのと同時に、ヒト免疫システムの調整を行うことで、様々な疾患の予防・治療に効果を示すものです!

具体的には虫歯の原因菌を減らしたり(2週間連続摂取で約80%減少)、歯周病の原因菌を減らしたり約90%減少)、口臭を減らしたり(1週間程の摂取で、べたつきなどの不快感、口臭の軽減)、便や下痢の調整をしたり胃のピロリ菌を減らしたり(30日摂取により、胃炎の症状の軽減、約60%の患者でピロリ菌が消滅)、アレルギー症状を軽減したり、本当に様々な効果が期待できます。

使用法としてはラムネ状のタブレットを1日1~2回程舐めるだけなので無理せず続けられます。

歯科医師という立場上、あまり商品をすすめることはないのですが、この商品は実際歯科医院で使用して効果も実感できているので、以上のような症状が気になる方は是非一度試してみて下さい。私も使用していますが、朝起きた瞬間の爽快感が違います笑!

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