顎が痛い!!~顎が痛くなる意外な理由~
意外に多い顎の痛み
今回は意外に悩みを抱えている人が多い、顎の痛みについてお話ししたいと思います!
皆さんは顎が痛かったり、口が開けづらくなった経験はありませんか?
顎に何らかの悩みを持っている方は結構多くて、日本の人口の6~8割程にもなると言われています。そして、10代の若い方~高齢者の方まで、幅広い年齢層に認められます。
出典:「平成 28 年歯科疾患実態調査」
顎の痛みの原因は?
顎の痛みの原因はストレス?
それでは何が原因で起こるのでしょうか?
何か悪い病気かも?と心配される方も多いと思います。
確かに悪性腫瘍や、骨の異常等が原因で起こる顎の痛みもあります。しかし、原因の多くは別の理由であることが多いです。
それは…….、
ストレスです!
….え!?
そうなんです。実は顎の痛みの多くがストレスが原因で起こっているのです!
「そんなばかな!」「私はそんなにストレスはないです!」と思われる方も多いかもしれません。
それではストレスがどうして顎の痛みにつながるのでしょうか?
顎関節症
まず、顎が痛くなったり、口が開けづらくなる症状をまとめて顎関節症と呼んでいます。
顎関節症は原因などによりⅠ~Ⅳ型に分類されます。
このうちⅠ型は咀嚼筋障害といって、噛むために口を開け閉めするための筋肉(咀嚼筋群:咬筋、側頭筋等)の疼痛を原因にするものです。
そしてⅢ型は顎関節円盤障害といって、顎関節にある関節円盤という軟骨(口の開け閉めをスムーズにするためのもの)が変位してしまい、顎の骨の動きを邪魔してしまうことを原因にするものです。
このⅠ型・Ⅲ型は顎関節症の中でも多く認められ、そしてこれらを引き起こす原因の一つとして、ストレスが考えられるのです!
ストレスがかかると、人は無意識のうちに歯と歯を噛み合わせて食いしばります。食いしばっている時口を開け閉めする筋肉はどうなっているのでしょうか?実際にぐっと噛みしめてみて下さい。そうです、かなり力が入っていると思います。この状態は筋トレをしているのと同じ状態です。これが長時間続くと筋肉に炎症が起こり、顎のだるさ、口の開け閉めのしづらさ、顎の痛み等の症状が出ます。咀嚼筋の中の側頭筋などは頭にもあるので、頭痛等の症状が出ることもあります。
また、長時間の食いしばり、TCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)等は、歯や顎関節・関節円盤にも負荷をかけ、周囲組織の炎症等を引き起こします。
*TCH:本来会話や食事を含めても1日当たり20分程しか上下の歯は接触していないが、それ以上の時間歯と歯が接触した状態にあることを言います。
この様に、ストレスから顎や歯に痛みが出ることは少ないのです!
それでは、顎の痛みが出た場合の対処・治療はどうすれば良いのでしょうか?
症状が軽度の場合や、予防法としては、ストレスをためないことがまず第一です。しかし、ストレスがかからないようにすることは難しい場合もあると思います。その場合は、ご自身の上下の歯が当たってないか意識してみて下さい。結構無意識のうちに当たっていることがあります。そしてその時は意識して少し口を開けるようにしてみて下さい。意識してこれだけ行うだけでも、かなり効果がある場合があります。その他、ほっぺたに空気を入れて膨らます、”あっぷっぷ体操”等も結構効果があります!
いかがでしょうか?ストレスが多い現代社会、結構この悩みを抱えている方が増えてきています。正しい知識と対処法でストレスに負けずに、これからも健康に暮らしていきたいですね!